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山日誌


初めての、季節的に沢にも山スキーにも行けない時は...(2006.1)

イラスト:せきとも


初めての、沢での、一人泊まり山行...(2005.12)

イラスト:せきとも


「恋ノ岐」という名は...(2005.11)

イラスト:せきとも


ザックを背負ったままコンビニに行くと...(2005.10)

イラスト:せきとも


地形図がだいぶ増えた(2005.9)

イラスト:せきとも

春山スキーに行ったパーティが...(2005.7)

イラスト:せきとも

月報の原稿〆切日が近づいてくると...(2005.5)

イラスト:せきとも

冬山レスキュー失敗?!(2005.3)

イラスト:せきとも

懸垂下降で「コワイ」と言えば...(2005.2)

イラスト:せきとも

里に熊さんが...(2005.1)

イラスト:せきとも

夏合宿の思い出(真剣に悩んだ編)(2004.12)

イラスト:せきとも

夏合宿の思い出(疲れた・痛かった編)(2004.11)

イラスト:せきとも

夏合宿の思い出(生き物編・夜空編)(2004.10)

イラスト:せきとも

渡渉訓練での失敗...(2004.9)

イラスト:せきとも

入会一年目は...(2004.8)

イラスト:せきとも

「似合うね」と言われたこと...(2004.7)

イラスト:せきとも

春の渓(2004.6)

いつのまにか6月。今年は山菜に恵まれた。でも天気には恵まれていない。沢ではここのところ必ず雨が降る。新緑の山は雨に濡れたほうが朧で美しい、と負け惜しみを言う日々が続く。

5月の連休には毎年、沢胡桃では紀伊半島に足を伸ばす。
今年は大峰の白川又(しらこまた)川
白川又川奥剣又谷右俣
・白川又川岩屋谷〜大黒構谷
昨年までは、宮川大和谷川上谷宮川大和谷焼山谷・ロクロ谷銚子川不動谷〜東ノ川白崩谷又口川三叉谷〜東ノ川本谷往古川真砂谷〜大杉谷支枝下降〜大杉谷石楠花谷、白川又川奥剣又谷、白川又川大黒構谷、旭ノ川中ノ川、大塔川高山谷、大塔川黒蔵谷、池郷川、栗平川魚ノ谷〜水無谷
と毎年紀伊半島に通う。

今年は白川又川奥剣又谷に入った。左俣は以前に会で記録があったので右俣に入ってみた。ここの記録は関西の沢にしても登山体系にしても左俣を詰めている。地形図を見る限り右俣が本流に思えるし、紀伊半島最高峰の八剣山に直接突き上げているのに食指が動いた。
ただ詰めの最後は地形図を見る限り100m程度の壁のような感じ。大峰といえば岩峰。壁に阻まれる前に小尾根に上がるか、と考えていたが、そんなに苦労なく最後まで抜けてしまった。
1回くらい辛い登攀があるだろうと気合を入れていたのに、10m前後の滝で2回ハーケンで支点をとってザイルを引いただけ。少し拍子抜けである。

白川又川もほとんど雨だった。ただ右俣を詰める日だけは天気がよくナメと階段状の滝がいつまでも続く渓相を楽しませてくれた。ここでも行者ニンニクの群落があり山菜には恵まれた山行だった。


山猫森(2004.3)

「山猫森」とはなんとも宮沢賢治の作品にでもでてきそうな名前であるが、栗駒山の南西、虎毛山魂の皆瀬川と荒雄川の分水嶺に位置する1034mの山である。虎毛は、春川の亀甲模様のナメ虎毛沢のナメ三滝、万滝、ダイレクトクーロワール、虎毛山頂上の湿原、赤湯又沢の温泉、そして入下山口には必ず温泉があるという沢ヤにとっての楽園であるが、1996年の鬼首地震によって春川には自然の堰きとめ湖ができたり、一部ナメが土砂に埋まったりしたようだ。
その春川の堰きとめ湖も1999年の6月に遡行した時には、決壊したあとで山肌にその痕跡を残すのみで、三滝の先の亀甲模様のナメも健在であったが、年によっては水量のせいか気温のせいか春川のナメは土砂でところどころ埋まり虎毛沢のナメ地帯はコケに覆われてしまったりする。

過去に3回、虎毛の沢を訪れている。
■1999年6月「春川西ノ又沢〜虎毛川左俣下降〜虎毛川赤湯又沢」
これは美味しいとこ取りのルート。メインの春川と虎毛沢の両方をやって、赤湯又の温泉に入って帰るというルート
■2001年6月「役内川三滝沢〜赤湯俣下降〜虎毛沢」
入渓を三滝にとって、温泉・山菜・釣りと3拍子揃ったルート。三滝源頭部はネマガリ地帯。ただこの頃から赤湯又の温泉は快適でなくたってきた。オンドル台地は健在。オンドル台地で焚き火にネマガリをくべて熱々をほうばる。この年は虎毛沢の沢床にコケが発生してナメ地帯は滑って遡行しづらかった。
■2002年9月「春川ダイレクトクロアール」
虎毛山の頂上湿原が残っていたのでダイレクトクーロワールにルートをとる。ダイレクトクーロワール自体はそれほど困難なルートではなかったが、山頂に上がったのは日が暮れた時刻で山頂の湿原に出そこなってしまった。

そして昨年度は「山猫森」に惹かれて南の保呂内川から山猫森あたりを乗っ越し、春川の東ノ又沢を下り西ノ又沢から虎毛沢の坪毛沢へと線を繋げてみた。
初日は残念ながら雨で、1日短縮した、保呂内の西ノ俣沢から山猫森経由で保呂内の本流にくだり皆瀬川の沼沢をくだるというルートの方が魅力的に思えたので、あっさり遡行は中止にした。その日は雨の中、入渓地点の下見をして川原毛地獄へ回って遊び中山平の湯治宿でゆっくりした。
保呂内川の本流は平凡な沢であるが、西ノ俣沢は滝の造形といいナメの多さといい春川、虎毛沢に劣らないいい沢である。今回ルートに選んだ山猫森に突き上げる沢はほぼ詰め上がりまでの250m近くがどこで区切ればいいのかわからない、一本のナメ滝のような沢だった。登っている時はそれほど綺麗だとは思わなかったが、晴れていたり新緑や紅葉のころだと絶景だったかもしれない。

山猫森はもっと鬱蒼とした山頂をイメージしていたが、緩やかな起伏の少々のネマガリと潅木の存外ヤブの薄い山頂だった。
いずれにせよ、保呂内の西ノ俣沢の本流はナメが続いてそうだし、「竹ノ子森」にも惹かれるものがあるので、また再訪したい山域である。


明神ヶ岳(2003.12)

師走も残すところ僅かになってしまったこの時期は歩きながら今年訪れた沢のことを回想することが多くなる。そんなものをアット・ランダムに山日誌に書き留めておこうと思う。

まず梅雨時に訪れた栗山沢である。よくもこんなマイナーな山域で計画を組んでくれたものだ、と密かに計画者に喝采を送ったものだが、沢としては予想通りの沢でメンバーによっては沢の評価はさておきという前置きが付いたようだ。その栗山沢を遡りフリウギ沢を下降するというルート。私を喜ばせたのは明神ヶ岳に突き上げる沢だったからだ。

明神ヶ岳。奥鬼怒の栗山村にある登山道のない山。湯西川にその周りをぐるりと囲まれている標高1600m弱の独立峰である。 一度は訪れてみたかった山だった。登山道はないので雪のある時期にと思っていたが、場所、積雪量ともに中途半端でなかなか訪れることのなかった山だった。

そんな明神ヶ岳に梅雨の晴れ間に沢から訪れたわけだが、明神ヶ岳の稜線付近は密ヤブと想像していたのが存外明るいヤブの薄い稜線で、踏み跡と赤テープも頂上方面に続いていた。やはりこういう不遇の山でも静かに訪れる人はいるものなのだ。そういう人に親近感を覚え反対側のフリウギ沢の二俣辺りまで下り一泊したのだが、周りはカツラの大木が多い森閑かつ幽玄な空気を漂わせた妙な落ち着きを持った空間であった。

仲内の集落で帰りのバスを待つ間に共同浴場で一風呂浴び、立ち寄った蕎麦屋は、鹿刺し、鹿串、熊串、地元の山菜などを出すなかなか風情のある店で、串はすぐ脇の囲炉裏で焼いてくれたりした。どぶろくを飲みながら山の幸を食ってすっかりいい気分になってしまった山行でもあった。


那須の山々(2003.6)

梅雨に入る前の6月初旬、沢胡桃では月例山行として会山行を行っている。今年は那須の甲子山での集中山行だった。
3パーティー10名で前夜発1泊パーティーが、阿武隈川一里滝沢から反対のヨロイ沢を下り二俣で泊、翌日稜線に出て登山道を甲子山へ。1泊パーティーは阿武隈川本沢を詰め登山道を甲子山へ。日帰りパーティーが南沢をそのまま甲子山頂上へ詰め上がり集中、という計画だ。

まぁ沢の詳細はともかく、那須の山というと茶臼岳から三本槍あたりの火山によるガレた山肌や、井戸沢あるいは大沢の源頭部の草原などあまり木々の生い茂った山というイメージではなかったのだが、今回行った那須の北(須立山から甲子山あたり)は広葉樹の美しい山だったのが意外であった。
カエデ類、サワグルミ、トチ、ミズナラ、ブナ、ダケカンバ、コシアブラ、ホウノキ、ナナカマドなど我々がよく見かける木々だ。特にあの緯度の標高1400mくらいでナナカマドがたくさんあったのは以外であった。

そういった木々の新緑の中、沢を遡行していて雪渓がでてくると、否が応でも目は山菜を探しはじめている。今回もウルイ、コゴミ、ウド、コシアブラ、ヤブレガサ、ギョウジャニンニク、ネマガリタケなどを頂いた。山菜を見ても雪国の山菜と変わりはない。

どうも那須というと太平洋側の山で東北の山というには関東平野に近いすぎるという先入観で敬遠していたようだ。
木々も山の深さも、我々好みの山域であった。


楢俣川源頭(2003.5)

尾瀬を山スキーで越え赤倉岳手前まで行ってきた。今回は戸倉のゲートが開いていなくて鳩待峠まで歩いたため赤倉岳までは届かなかったが、赤倉岳手前の鞍部、つまり楢俣川の源頭を見に行くのが目的だったので充実した山行になった。
楢俣川は狩小屋沢、後深沢やキノコ採りに入ったことがあって、その美しさに魅了されいつも本流をそのまま詰めてみたい思いに駆られていたが、いざ楢俣川を詰めてしまうと下山ルートがとり難いのである。

尾瀬に抜けれればいいのだが雪のない時期に木道以外を歩こうものならどんな誹りを受けるや知らず、また尾根沿いの延々の猛ヤブを漕ぐ気にもならず、いっそのこと文神沢を下り水長沢を遡って平ヶ岳に抜ければ黄金のルートになるのだがなかなかそれだけの日程もとれず、なにかいいルートはないものかと源頭散策に出向いたのである。

今年は沢胡桃随一の雨男が異変をきたしているらしく彼と行くどの山行も好天に恵まれ、今回も予報を覆してくれてたおかげですばらしい眺望に恵まれた。
赤倉岳鞍部は素晴しい場所で、平ヶ岳から奥利根の山々や楢俣川を一望できるポイントである。今年は雪が少ないのか尾根沿いの雪も落ちているところも多く藪の状態も観察できた。

しばし楢俣川を眺めながら皆それぞれにルートを引いて遊んでから引き返してきた。今年の秋ぐらいが楽しみである。


カンゾウを喰った(2003.4)

ここのところ週末の天気が悪く日帰りの山行が続いている。春分の3連休に栗駒山に山スキーに行って以来、日帰りで沢でのクライミング技術の訓練、神楽峰の山スキーも悪天候のため中止で丹沢早戸川本間沢に日帰り転進するが、積雪が多かったので撤退後山菜採りに。次の週は小菅で山小屋つくりながら山菜取り。

ある程度、山の中に入っているので欲求不満にはなっていないけど、ひとついつもの年と違うことがあった。
毎年、まずこいつで一献というフキ味噌を食っていないことである。サッと湯通ししただけで味噌と叩く山での強烈な一品。毎年こいつで春の訪れを祝っていたが今年はついにありつけなかった。

その代わり東京近郊の山里にはよく出かけたので、里の山菜をたくさんいただいた。ノビル、カンゾウ、ワサビ、リョウブ...中でもカンゾウは量も採れ時期もよかったのか他の奥多摩の沢に入ったパーティーもたくさん採ってきていた。湯がいてよし、炒めてよし、揚げてよしとクセがないのでどう調理してもうまかった。味はウルイのような感じだがあれほどヌルヌル感はない。根元の白いところがたくさんあるとヌルヌル感も増すようだ。歯ごたえもいい。

いつもはフキ味噌を食うと山菜は5月の雪国で、ウド、タラ、コシアブラ、ハリギリ、ワラビ、アイコ、ウルイ、コゴミ、シドケ、ショウマ類などなどで宴会やるまでお預けだったのだが、4月に東京近郊の里山であれだけ山菜が採れるのなら4月の沢もいいものだなと思った次第である。


沢と山スキー(2003.3)

沢をやる人は山スキーもやる人が多いようだ。これはおそらく、「道のない山が好き」「ピークハントより山に入ることのほうが好き」「山では人が少ないほうがいい」「静かな山旅がしたい」等々といった理由ではないだろうか。
無雪期は沢沿いから、積雪期は尾根沿いに山に入れば、その山をいっそう深く知ることができる。樹を見ていても、葉を見て分からなかったものが積雪期に訪れた時に冬芽や葉を枯らした樹形を見て同定できたりすると、ああこの樹がここにもあったのかと妙に感動してしまうことがある。

なによりも我々にとって大事なのは「偵察」であったりする。
山スキーでその山域の沢の様子を見に行き、沢では滑れそうな尾根や沢筋をいつのまにか目が追っている。だから山スキーで訪れる山域も沢で訪れる山域もかなりダブっている。

春分の3連休は栗駒山に山スキーに出かけた。普通はまだこの時期天候次第なのでイワカガミ平からの入山が一般的なのだろうけど、我々は先ほどの理由により真湯温泉から林道を入り山頂も踏まずに帰ってきた。目的が産女川源頭だったからである。山頂近くは、その低い標高に関わらず日本海から吹き付ける西高東低時の風を遮る山もなく予想以上の強風になる。天候次第では笊森小屋あたりで引き返すことも念頭においていたが、「彼岸に3日の晴れ間なし」と地元で言われているにも関わらず我々が入山していた21日から23日までは晴天に恵まれた。
源頭付近の通過も何の障害もなく産女川の左岸を登り源頭をトラバース、右岸を滑り降り産女川一周という会心の山行ができた。
メンバー4名のうち2名は以前に訪れた産女川を山スキーで訪れたことになり、まだ訪れていない2名は今年訪れることになるだろう産女川を偵察したことになる。

今回は源頭トラバース時にそのまま沢沿いに滑り降りたい衝動に駆られたが、入渓点の産女橋あたりの積雪や右岸尾根からみた限りでは積雪状況と渡渉点さえ定まれば可能な気がしてきた。
今年、沢からその辺を見定め、また山スキーで訪れたいものだ。


冬の沢を滑る(2003.2)

2月の15日〜16日で上州武尊の武尊田代を山スキーで訪れた。春山のような陽気でここでも季節は1ヵ月くらい早いようだった。

武尊牧場スキー場のトップから非難小屋までは最近は人が入っていなかったのか、はっきりしたトレースもなく美しいブナの林を緩やかに登っていく。

非難小屋は三角屋根の上部をほんの1m程出しているだけで大半を雪の下に埋めていた。視界が利かなければ探すのは困難だろう。我々はここで北に進路を変えトラバース気味にのっぺりとした尾根を武尊田代へ滑りこむつもりだったのだが、緩やか過ぎてほとんど滑らずクロカンの様相で武尊田代に辿り着いた。
その真っ白になった小さな湿原のへりにテントを張り、雪のテーブルを作り笠が岳や至仏山を眺めながらビールを飲んでのんびりした。

翌日は西山方面に登りなおして尾瀬岩鞍スキー場に滑り降りる予定だったのだが、登りながら地形図を見ているうちにどうも武尊田代から江戸沢へ滑り込みたくなってしまった。

ブナの林の緩やかなU字状の沢筋。これが最近嵌まってしまっている山スキーのルートなのだ。ほとんどスピードが出ないので滑降重視の人には面白みにかけるだろうが、ただぼぉーと上を見ながらブナの中を滑っていく心地良さ。緩やかなU字状の沢筋をできるだU字状に長く滑る。こういったルートは短いので精一杯ルートを伸ばして楽しむ。

そんな心地良いルートははじめから予測することは難しく、絶対条件は緩やかなU字状の沢筋で、これは地形図から読み取れるのだが地形図では樹種までは特定できず、沢で訪れた時にミズナラやブナの山であることを確認しておかなければひどい藪にやられることもある。
藪のうるさい沢を詰めているときに雪に埋まった時の状況を想像し藪の上の樹を眺め、雪山では沢を見渡し沢を繋いでルートを考えてみる。そうやってその山全体を捉えていく。そういう楽しみもある。

江戸沢の源頭は予想通りそういった理想的な広いU字状の沢筋だったが、雪が締まっていなかったのでほとんど滑らなかったがブナの林は心地の良いものだった。
これから春に向けて雪がどんどん締まっていくのが楽しみである。


冬の沢(2003.1)

東京のあのカラッとした青空を見ていると無性に雪山に行きたくなるこの季節なのだけれど、そんな青空にはなかなかお目にかかれるものではなく、大概は黙々とラッセルをして狭いテントの酒盛りで溜飲を下げて帰ってくるのはまだいいほうで、吹雪かれて地図と睨めっこしながらなんとかエスケープルートを探してほうほうの体で逃げ帰ってくることも多々あるのがこの時期の冬山である。

そんな気力も体力も使う山には毎週行けるものではなくて、また行けば行くほど都会のビルの谷間から見上げる普段の青空ではなくて人工物のない風景の中での冬の青空への欲求が高まってくるのである。そうなると確実に青空を見つけたくなって日ごろ目を向けない奥多摩や丹沢の東京近郊の沢へいそいそと出かけて行くのだけれど目的はもはや沢ではなく冬空の真っ青な空なのである。
できるだけ南向きの明るい沢を選び木々の冬芽なんぞを見ながらゆっくり沢を登っているとこれはもう沢登りというよりは冬山ハイクのような長閑な気分で、帰りに温泉につかり一杯ひっかけて皆と別れての帰り道、夜空を見上げながら今日はゆっくりと遊んだと思う一日もこれはこれで楽しいものなのである。
たまに積雪があることもあり沢靴でキックステップをしながら滝を高巻くこともあるのだけれど、それはご愛嬌で指先が冷たくなるころには麓の温泉近くまで下ってきているのである。

ただ東京近郊のような普段は賑わっている山へ、人気のない季節にしかも人の入らない裏沢へのこのこと出かけていくと白骨死体にぶつかってしまうこともある。
数年前、沢でのザイルワークができる手ごろな沢を探しに行って左又を登り右又に下降したその上流に手ごろな3段の滝があったので、一段目の水の枯れた滝壺まで登るとしゃれこうべがこちらを空ろに見つめていた。

その後、結局その沢での訓練は宙に浮いたままだが今年の2月ぐらいにじいさんの供養がてら花を持ってその沢を登ってこようと思っている。


沢ヤのデジカメ(2002.12)

『沢胡桃写真館』に整理もせずに山の写真を載せていますが、今年の夏からカメラをカシオのGV-20というデジタルカメラに変えました。

これまではCONTAXのT2とNIKONのニコノスを使い分けていましたが、前者は当然のことながら水に弱く、沢で水に浸けようものなら確実に基盤がいかれオーバーホールで2万くらいとられたこともありました。画質はいいんですけどね。『沢胡桃写真館』で発色のいい写真はほとんどこれで撮ったものです。
ニコノスはというと超が付くくらいヘビーデューティなカメラで遡行中も首にぶら下げたまま岩にぶつけたりして筐体があちこちかけているんですが、それでもその機能に問題が起こったことはありません。ダイビング用なので当然完全防水。問題はその重さでした。軽量化に勤しんでいる沢ヤとしては毎回持っていける代物ではなかったのです。

そこで今夏、防塵・防水が謳い文句のGV-10という100万画素のデジカメが200万画素にバージョンアップするのを待ってGV-20を買いました。
画質には期待していなかったんですが思っていたよりはいいです。今年の7月の谷川本谷以降の写真はすべてGV-20で撮ってます。
200万画素、パンフォーカス、1/3.2インチCCDというスペックは今のデジカメでは低レベルな方ですが、それでも沢で高レベルデジカメをハウジングで使うとしたら保護のためザックにしまわなければならず、撮るたびにいちいち出していたんではデジカメの利点を生かせません。
その点、GV-20はハーネスにつけっぱなしですから機動力は抜群です。マクロモードもあるのでイワナなどもうまく撮れます。夏山のように極端に光の明暗があるような場合は弱いのですが、露出補正と半固定を使うコツがわかればそれなりには撮れるようになりました。

弱点はたくさんあるカメラですが沢での使用ではほぼ満足しています。今のところGV-20と同機能・同価格帯のデジカメもありませんしね。


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