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3月19日(土) くもり時々晴れ
朝発の新幹線に乗り田沢湖駅で下車。バスに乗り終点の乳頭温泉で降りる。準備をして出発したのはもう昼近くになっていた。下界は晴れているが、山の方には雲がかかっている。15分ほど歩いて孫六温泉に着く。宿の土間を通り抜けて枝尾根に取り付く。最初の急登を乗り切ると、あとは適度な斜度のぶな林が続く。樹間の広い快適なぶな林だ。先行者のトレースが付いている。
稜線直下は少し急になり、それを乗り切ると目の前に田代平が広がった。晴れているが風が強い。遠くの山は雲の中だったが、目の前の乳頭山はよく見えた。所々に群がっている針葉樹の間を抜けていくと、程なく田代平山荘が現れる。出発が遅かったため、15:00近くになっていた。3時間ほどしか行動していない割に疲れたことと、小屋の誘惑もあり、今日中に大石沢の出合に降りることは諦めて、田代平山荘に泊まることにした。
田代平山荘は二階建てのきれいで快適な避難小屋だ。明るいうちからつまみを作って飲み始める。風が強いので少々寒いが、広くて足が伸ばせるのが小屋の良さだ。初日がここまでだったので、ルートの短縮などを話し合いながら酒を飲み、夜は更けていった。
3月20日(日) 晴れ
朝は曇り気味だったが、出発する頃には晴れてきた。小屋から東側の沢筋に滑り込み、大石沢の切れ込みが深くなる前に右岸に上がる。ここからしばらくは総じて緩い下りコースのはずなのだが、実際には細かい凹凸があり、また枝沢も入ってきて結構アップダウンがある。そのため思ったより時間がかかり、大石沢の出合に着いたのは昼頃になった。台地状の快適なテン場だ。
大石沢は戸繋沢との二俣よりも上流部ですでに流れが出ていた。当然、葛根田川本流は流れが出ている。昨日ここまで来ていたとしても、左岸に渡るには靴を脱がなければならなかった。
スキーを脱いで大石沢の幅1.5mほどの流れを跳んで渡った。ここから戸繋沢左岸の尾根に登る。この尾根ではみずならの大木を多く見ることができた。中には白枯れした長南さん曰く「怪しい大木」も多数ある。きのこの季節に来てみたいものだ。
大白森直下の急斜面が近づいてくると方向を北に転じ、登り気味にトラバースしていく。眼下に姫潟を確認し、主稜線に出て束の間の快適なすべりを楽しむと、すぐに大白森山荘を見つけることができた。大白森山荘も二階建てのきれいで快適な避難小屋だ。一階に下りる階段がはしご段ではなく、普通の階段であることに感心した。二泊とも避難小屋というのもめったにあることではなく、今宵も足を伸ばせることに感謝する。
3月21日(月) 快晴
朝から太陽がまぶしい。昨日下った主稜線を登り返し、大白森を目指す。大白森はそこが山の上であることを忘れるような広大な平原だ。眺めは最高!。葛根田川を取り巻く山はもとより、森吉山、八幡平、岩手山、秋田駒など近隣の山々を一望することができる。たおやかな山並みを見ながら「あれは○○、こっちは○○」と山座同定に夢中になり時間を忘れてしまう。ドピーカンの日差しと雪原の照り返しで肌がじりじり焼けるような感じがする。
大白森からの下り口は雪庇の張り出していない所を慎重に選ばなければならない。最初様子を見に行ったところが雪庇の上であったため、一瞬ひやっとした。
下り始めは急傾斜で斜滑降&キックターンであるが、途中から快適な斜面となる。しかしここは細かい枝沢が入り込んでおり、ルートファインディングが難しい。狙った戸繋沢と金堀沢の出合に降りられるかどうか全く自信がなかった。今日のような晴天の日はいいが、視界の利かないときには避けた方がいいかもしれない。
二俣の少し下に出たが、そこが戸繋沢と金堀沢の二俣なのか、851mの金堀沢の二俣なのか、この時点では判然としなかった。とにかく沢が雪で埋まっている所から右岸に渡り、目の前の斜面を登ることとする。このあたりでも渡渉点を選ばねばならないほど流れが出ていた。
広くなだらかな斜面を強烈な日差しを浴びながら延々と登った。どうやら狙いどおりのルートに乗れたようだ。田代平の西側で稜線を超え、シールをはずして最後のそしてこの山行で唯一の快適な滑降で孫六温泉まで下った。
今シーズンの山スキーのメインイベントに据えていた山行だけに、三日間晴天に恵まれ、ルートを短縮したとはいえ、ぶなやみずならの林の中をさ迷い歩いたことに大いなる満足を感じた。山の神様とメンバーに感謝。この次は葛根田源頭部から関東沢あたりを彷徨してみたいものだ。
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稜線直下は少し急になり、それを乗り切ると目の前に田代平が広がった

スキーを脱いで大石沢の幅1.5mほどの流れを跳んで渡った

大白森はそこが山の上であることを忘れるような広大な平原だ

大白森からの下り口は雪庇の張り出していない所を慎重に選び滑る

広くなだらかな斜面を強烈な日差しを浴びながら延々と登る
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