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下田笹堀川大川

2004年9月4日(土)〜5日(日)
L 成田、木崎、小原、佐々木、佐々木(愛)、山口(*山口以外は黒稜山岳会)


 黒稜の5人は、以前から何度も沢をともにしている友人。大川への遡行経験がある成田さんをリーダーに、他、木崎、小原、佐々木の4人は男性。あとの2人が女性というメンバー構成。
 成田さんと木崎さんは巻きと泳ぎの名手で、小原さんは体力気力満々の大男。佐々木さんと愛ちゃんはクライマー。足をひっぱるのはまた私?というメンバーだった。
 今回の遡行は、泳ぎによるゴルジュの突破(というかずっとゴルジュだけど)、下降のラッコ・・・と、泳ぎに泳いだ沢となった。

●9/4(土) 曇りのち雨

 前夜、三条燕ICから1時間弱で道の駅に着。休憩室が空いていたので、テントを張らずにすんだ。6人ちょうど寝られるだけのスペースがある。ご機嫌に入山祝いもして、3時就寝。
 翌朝6時半すぎに起きて朝食をすませ、車で道の駅を出発。20分ほどでダムに着く。足回りを整えて9時頃出発。湖岸道は、所々崩壊もあって、少し荒れた登山道といった感じ。湖は深く切り込んでいるところが三ヶ所あり、ぐるっと奥まで回らなければならない。これがなければ30分は短縮できるのだが…。
バックウォーターを過ぎてからが長く、木崎さんは、沢が眼下に見えるたびに飛び込みたいと嘆いている。アップダウンも激しく、息を切らしながらさらに1時間を歩いてようやく沢へ降りる。降り口には、コンクリートのブロックを積み上げたりっぱな階段があった。降り立ったところは、光来出へとつながる
笹堀川本流。そこからちょっと戻って大川出合いになる。 大川は、出合いから先、とにかくず〜〜〜っとゴルジュゴルジュゴルジュ。
こんな沢もあるのかとびっくりした。難所は大きく3カ所あるが、水量が少なかったため、それほど苦労せず通過することができた。
 一カ所目のオト滝は、小沢を登って、水たまりのある右岸を巻く。
 二カ所目の深い釜を持つ1Mの滝は、高さはほとんどないものの、ものすごい水圧。成田さんがトップで左をへつり泳ぎながら落ち口に取り付くが、押し戻されてしまう。そこで“チーム98”(なんでも、Windows98を使っているという意味らしい)を名乗る、成田、木崎、小原の3人が、団子になって水流に挑む。押し流されては戻り、くるくるとまわって何やらはしゃいでいる。代わる代わるに攻めて、そろそろ凍えそうになってきたとき、最後には成田さんが、右足を滝の中に突っ込んで見事越えた。続いて一人一人シュリンゲを出してもらって越えるが、みな、ほぼ力業で引っ張ってもらうことになる。成田さんの手は真っ赤になってしまった。すみません。
 三カ所目の、わしか沢出合いを越してすぐの、やはり深い釜を持つ2Mの滝は、左岸のつるつるのスラブを登って小さく巻いた。小原さんがトップで行き、お助けを出してもらう。もっと上には巻き道が続いているらしく、成田さんと愛ちゃんはそこから巻いた。
 だんだんと雲行きが怪しくなり、午後2時を回ったところで本降りとなったので、小沢まで行くことはあきらめた。わしか沢と小沢の中間点ほどで、ちょっと高い河原を見つけ、テン場にするかどうか悩む。大きく増水すると危ない場所なので、15分と時間を決めいい天場が無いか上流に探しに行ったが、やはりひたすらゴルジュで、テン場は皆無。最悪、左岸の岩場を登ってビバークも可能ということで、やはりそこをテン場とした。
 成田さんが両岸にハーケンを打って、タープを張る。いろいろ試みたが、ゴルジュの中のため、これしか方法がない。中につっかえ棒を立てるなど色々工夫をして、ちょうどよい高さの屋根の立派な我が家ができた。
 今晩の食当は、山口、成田、木崎の三人。成田さんのイカ明太パスタと、レーズン入りサラダは美味! イタリアンレストランに来たようだ。木崎さんは、焼き豚とチンゲン菜の炒めもの。ところが、自慢の高級焼き豚を味見すると、なぜかすっぱい・・・?
 木崎邸にて常温保存されたため、熟成されすぎたらしい。焼き豚は悲しいかな土に帰り、チンゲンサイは麻婆豆腐に仲間入りすることになった。
 降っては止みを繰り返す雨をちょっと気にしつつ、11時頃眠りにつく。
 
●9/5(日) 雨のち曇り

 翌朝、7時半にテン場を出発。ラーメンは時間がかかるので、お茶と行動食で朝食を済ませる。昨日よりだいぶ増水しているので、成田さんの表情は真剣だ。
終始ゴルジュなので、増水すると、まったく身動きが取れなくなる。昨日はくるぶしくらいだったところが、ふくらはぎが隠れるほどになっている。流れも速い。
 こんな時でも、みんなをリラックスさせるのが上手な成田さんは、安全なところでラッコ泳ぎを始める。雨とはいえ、水温はそれほど低くなく、上下雨具を着ると、全身浸かっても寒さを感じない。みな、きゃーきゃー言いながら次々と泳ぎ下っていく。
 成田さんは、ラッコ泳ぎについての注意も怠らない。ひとつは、流木などにはさまって、窒息しないようにすること。もうひとつは、岩のカーブの水圧で、押しつけられておぼれないようにすること。私などは、調子にのって泳ぎすぎているといつの間にか疲れていて、立ち上がるとき、ザックの重みでフラフラすることになり、これも危ない。
 昨日の3つの難所のうち、とくに“チーム98”で越えた1Mの滝は、増水のため水線突破が不可能となり、右岸の岸壁を巻くことになった。成田さん、木崎さんがトップで、残置ロープを使って岩棚に登り、ザイルを出してトラバース。最後はクライムダウンで沢に戻った。「ここは落ちないでね。
まあ、落ちてもこの水流なら、ちゃんと止まるから大丈夫」と、成田さん。難しくはないが、眼下にゴウゴウと流れるゴルジュが見えるため、ちょっと嫌な感じだ。
 オト滝は、昨日とは比べモノにならないほどの変容ぶり。奈落の底のように深くえぐられたゴルジュに、轟音とともに水がなだれ込み、深く深く落ちていく。大きな木が、その水流にのまれ、釜を出ることなくぐるぐる回っているのが見えた。
 「ここは絶対に落ちないでね」と成田さんが笑いながら言う。もちろん絶対に落ちたくない。
 成田さんが前回来たときには、もっと水量があったという。周りの地形を見ると、かなり高い位置に水でえぐられた後がある。そんなときの入渓はご遠慮したい。
 出合いに近づくと雨もあがり、時間もまだ9時半だったので、バックウォーターまで沢通しに行くことにする。これでもかとラッコをしまくって、10時半にバックウォーター着。朝食べそびれたラーメンをみんなでつくって暖まった。赤ワインもチラリと顔を出す。バックウォーターから、山肌をちょっと上がるとすぐに湖岸道に出、沢通しに下ったおかげで最後のアップダウンの道を短縮できたので、一時間半でダムに戻ることができた。(記:山口)


<コースタイム>
9/4(土) 8:50ダム発〜11:30大川出合(入渓点)〜12:00入渓〜13:00〜13:30お昼〜14:30テン場着
9/5(日) 7:30テン場発〜9:30大川出合(入渓点)〜10:30〜11:30バックウォーター〜13:00ダム着