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奥秩父:滝川古礼沢

2001年5月26日(土)〜27日(日)
L増田・長南


天狗岩トンネルの手前から滝川本流に下る。なんだか連日の雨で増水しているようだ。岩についたコケが水面下20cmほど下で揺れて見える。
のっけから腰上の渡渉。太ももの辺りがピリピリ痛くなるくらいに冷たい。そしてかなり水圧が強い。いきなりもっていかれそうになり全身ずぶ濡れ。その後は胸までの渡渉、ワンポイントでの泳ぎ、へつり泳ぎなどを槙ノ沢出合まで繰り返す。以前に水晶谷に来た時も増水していて釣橋小屋まで5時間かかったが、今回はそれを上回る渡渉の連続であった。冷たくてケツの穴が痛くなるというのはあったが、その次はナニの裏あたりが痛くなるということを知った。ジャージだけではちと辛かった。次回からは増水していたら釣橋小屋まで山道を利用することも考えよう。

水に浸かりすぎてかなり消耗していたので、これからゴルジュ帯に入るよりは明日早めに出れば水量も減っているだろうし、十分詰めあがる時間もあるので本日ここまでということになった。
そうすれば酒も食料も減り荷も軽くなるし、なにより枝沢(熊穴沢)を越えた右岸にはこの沢で一番の絶好のテン場がある。広い河原で一段上には苔むした台地があるし開けていて明るい。
時間が早いのでゆっくり焚き火の準備をしたり山菜を採ったりして過ごす。明るい内から酒を飲み始めるのは至上の悦楽。酒はビールから日本酒、焼酎、ウイスキーまで揃っている。米も3合炊いて鮭とおかかのおにぎりにする。これもつまみになる。山菜はミズ、シドケ、ミツバ、イワタバコが採れたのでおひたしにする。やはり雪国の山菜よりはみずみずしさと太さに劣るがそれでもそれぞれの個性があって仄かに春を楽しめる。ミズの若芽は筋も取らなくて良いほど柔らかで味に癖がない。シドケはフキに似た独特の香りがあって癖が強いがその分山菜を食べてる実感が持てる。イワタバコは苦味とあの食感がとく独特だ。その他、炒め物やマーボー豆腐やらスープやらをつまみにゆっくりと飲む。一番はベーコンとワンタンのスープ。冷えた体がほぐれていくようなうれしさ。やっぱり冷えた時には暖かいスープである。それから酒。
そのうちに水をたっぷり吸った薪も燻りをやめ燃え始めた。二人だと風下になることはないし、ベストポジションでお互い飲めるのでゆっくり寛げる焚き火である。
明日の早出のために早く寝るはずだったが、あまりの心地よさのため11時を越えてしまった。まぁ、いつものことではあるが。

翌朝はなぜかテントを叩く雨の音で目が醒める。天気予報は外れたらしい。テントの中で残り飯を喰らって出発する。
始めのゴルジュ帯の5m滝は右から釜をへつり直登。続く5m直瀑は左から登れそうだが水流が強く渡るのを嫌い直上、トラバースして懸垂で降りる。ブドウ沢手前の連瀑は、始めの6mは右から登ると落ち口から水平に虎ロープがあり、それを目指しつかまりながら落ち口にトラバース。次の5mはシュリンゲを掴んで落ち口に登り左の壁に連打してあるハーケンとリングボルトにかかるシュリンゲを頼りにトラバース。他人の作ったルート工作を頼るのは嫌いだが、今日は時間を稼がせてもらったので感謝しよう。出合手前の2m程の滝は左の壁をへつるが最後が悪くかかっているシュリンゲを便りにするがあと一歩足らないようで、増田さんがハーケンを打ち込む。リスの向きが悪いのと不安定な体制で打ったので全体重を預けられないようでだましながら越えていく。

出合には釣師か沢屋かわからない2人パーティーがテントを張っていた。やはり昨日はあそこで正解だったようだ。
古礼沢ははじめこそゴルジュや滝が出てくるが、直登でき悪場もなくナメ地帯が始まる。あいにくの天気と昨日の疲れで二人とも楽しむ余裕はなかった。かなり長いし綺麗なナメだと思う。岩盤も何種類か変化するし、ナメ滝も出てくるし。しかしそれを楽しむ余裕のない我々に印象を残したのはその上から延々と続く沢を埋め尽くしたガレである。U字型の沢をびっしりとガレが埋まっていて見上げると平らにず〜と続いているのである。カーブを曲がったら...また続いているのである。石を敷き詰めた沢は余計に身体の重さを感じさせてくれたようだ。前日、水に浸かりすぎて身体が重くなっていたのでかなり堪えた。鞍部を目指し、稜線の登山道に出たときは久々に息がきれていた。

今回は、鶏冠の左に入っているパーティーと西沢渓谷で合流する予定なので、稜線に上がって3時の交信を水晶山で試みたが、ちょうど鶏冠尾根から外れていたらしく届かなかったようだ。雁坂峠で携帯で連絡がとれた。

登山教室でナメラ沢に来ていた宗像夫妻に雁坂トンネルの料金所で車で拾ってもらって7時前に鶏冠パーティーと合流できた。

塩山駅前に新しくできたスーパーで(夜は10時まで開いている)酒やつまみを買い出して、いつものように鈍行居酒屋状態で帰路についた。(記:長南)


<<コースタイム>>
5/26 晴 入渓点(豆焼沢出合手前)9:00−11:30金山沢出合12:00−13:20槙の沢出合−14:30枝沢の少し先B.P.
5/27 雨後曇 B.P.7:30−10:00水晶谷出合10:30−12:30二俣−13:00奥の二俣−14:30稜線−15:00水晶山−15:30雁坂峠16:00−18:30西沢渓谷