1999年6月19日(土)〜21日(日)
L宗像、長南、満田、高安、大塚
虎毛沢〜赤湯又沢は一昨年も訪れたことがある。「温泉が川原からわいているよ」という宗像さんの言葉に誘われたのだが、その時は、季節はずれの台風にみまわれ、春川本流の遡行はあきらめ、登山道で虎毛山頂まで上がり、虎毛沢右俣を下降、赤湯又沢をのぼり、くだんの「温泉」までたどり着いた。今回もこの天然の温泉が目当てだ。
前夜、集合したときは雨が降り、天気予報も本州の広い範囲での雨を告げていたが、翌日は田代沢林道を車で入る頃には晴れ。てっきり中止になると思っていたので「来てみるものだな」と思う。
田代沢林道の終点まで車で入り、春川本流に流れ込む支流に沿って本流まで下る。いったん本流を徒渉し、対岸の登山道を虎毛沢の出合いまで。
朝、まだ雨が残っている段階では、「虎毛沢を登って、温泉の出る場所で2泊するか」とも言っていたが、絶好の晴天の前にこの時点で当初の予定通り、春川本流を遡行することになった。
虎毛沢出合いからしばらくは、ごろごろの河原歩きが続く。もともとは、幅の広いナメが続いていたらしい形跡はある場所もあるが、土砂で埋まってしまったらしい。ところどころ、土砂や倒木がたまっている場所があったり、土砂の間に、ナメが現れる場所もある。
初めての滝3mを超えると土砂も少なくなり、やがて、地図上に西の又沢とかかれている沢が流れ込む地点に出る。ここは地図上での標記とやや異なり、右からの支流と正面からの本流が滝をなしておちてくる地点に左から左又沢が流れ込み、三俣を形づくり、なかなかの美観である。12:05。いったん休止後、西の俣の滝の右側を登り、一段目をトラバーして、本流からの滝の右手の樹林帯を登り、落ち口におりた。
ここからは楽しい楽しいナメ歩きとなり、「まるで雑誌の中のシーンみたい」と高安さんが妙な形容をしていたが、一枚岩の上を流れる水に光が反射する中を自由気ままに歩くという最高の場所だった。ナメを形作り岩の赤い紋様が亀甲模様をなし、面白い。
13:40、万滝沢出合い。2段10mの屈曲した滝は、泳がなくては取り付けそうにもない。濡れたくないのと、巻きたくない気持ちとしばらく葛藤した後、大塚さんが空身で挑戦。なんとか一段目を突破した。「二段目も上がれるか?」というこちらのジェスチャーを見て、「二段目も上がれ」ということだと思ってしまい、なんなく二段目もクリア。私も続いたが、一段目を上がった段階で、荷上げし、それを大塚さんが引っ張り上げるという作業をしたが、思うようにいかず、かなり手まどってしまった。お互いの意思疎通手段、「段どり」、ザイルワークなどの点で反省が残った。
とはいうものの、この滝も、つづく小滝の連続も、非常に美しく、濡れながら超えるのが楽しかった。幅の広い壮大なナメ滝6mは左側の平らな岩をだましだまし大塚さんがリードでのぼった。
ナメ、滝、ナメ、ナメ、釜、滝、へつり、ナメ、小滝、たまに倒木、たまに落ちる。というような渓相が連続し、15:20、二俣着。
ここから水量は減り、川幅もせばまってきて、倒木が多くなってきた。1時間半ほど、いって支流を2本左に見送り、泊。星がきれいだった。
<2日目>
朝、雨。出発が少し遅れる。8:11発。登るべき支流をさがし、いったん下り、昨日とおり越した支流を登るが、しばらく登ってこれは一本手前の沢だという結論に達し、またもとの泊地に引き返す。本流を直進すると、すぐに正面に7m滝。ここで左から支流が入っているので、こちらをのぼる。水量はどんどん減るが、いくつか滝がある。10:20、水流は消え、稜線直下の草地でひと休み。ここからヤブこぎを経て、10:50、虎毛山から北東に延びる稜線に着。ここから、北側に下り、虎毛の左俣に降りる。
雪渓がところどころ残る小さな流れを下っていく。11:20、大きな雪渓をくぐっている途中で左手から支流が流れ込む。これが右俣との出合いか? しかし一昨年、右俣から下ったことのある宗像さんも私も、あまり見覚えがない。
このへんから時計が狂っているのに気付かず、時間が正確かどうかあやしいが、3段滝(12:30)、左にまがる廊下状の滝をけんすいで下ると、13:10、こんどこそ右俣との出合いに着。ここからは見覚えがある。川幅は広がり、幅の広いナメとかわらが交互に出現し、そのうち川原が多くなってくる。まだかまだかと思っているうちに17:00ようやく赤湯又との出合いに到着。出合い手前の左岸を赤湯又側に乗り越え、淵の右側をへつる。
また、かわら歩きだ。一昨年もここでへばったが、今年もここで疲れ果ててしまった。疲れた足を引きずるようにして、歩いているうちに左手に噴煙があがっているのがみえ、今夜の泊地である温泉のわく川原に着。やったあ。
ところが一昨年、ほどよい温泉となっていたところは、半ば埋まってしまい、浅い上に水温もかなり低くなっていた。コッヘルで土砂を掘り出して多少は深くしたが、いざ入ってみるとやはり寒い。寒くてあがれないほどで、しばらく、がたがたふるえながら入っていた。
そこより数分下流にいったところに、石で囲って温泉をためた場所があり、そこは湯温も高く、翌朝はそちらで一風呂あびて、豪快な露天風呂の味を楽しんだ。
<3日目>
晴天。今日は下るだけだ。めいめい天然の露天風呂を楽しんだ後、出発。下りに3時間半ほど要して、春川本流に出て、あとは行きのきた登山道を利用して、もとの林道に戻った。帰りがけに温湯温泉に立ち寄り帰還。(み)
《コースタイム》
(6/19) 田代沢林道終点(9:22)-春川本流(9:48)-登山道-虎毛沢出合(10:15-10:30)-西の俣・東俣の出合(12:05-12:40)-万滝沢出合(13:37)-二俣(15:20)-泊場(17:00)
(6/20) 泊場(8:11)-泊場(9:00)-稜線(10:50)-虎毛左俣(11:10)-右俣との出合(13:10)-赤湯又沢出合(17:00)-泊場(18:15)(ただし、後半時計が狂ったため、誤差1時間)
(6/21) 泊場(8:30)-春川本流(12:00)-林道(13:00)