|
8月12日
ムーンライトの中で目を覚ますと外は雨。それでも村上で乗り換え鶴岡の駅に着く頃にはなんとか止んでくれた。バスを待つ間に合宿中の雨を心配した宗像さんが、6畳大のレジャーシートを買ってきてくれる。(このシートには大変お世話になった。宗像さんもさすがだが、朝の8時に開いていたジャスコもえらい。)バスとタクシーを乗り継ぎ、途中斎藤さんと合流して西大鳥ダムへ。林道終点と思ってタクシーを降りたところが、実は間違いで、少し戻って本来の林道をてくてく歩き、終点から踏跡に入りしばらく下ると桝形川に出た。とたんに虻のお出迎え。そうか、これが噂に聞く虻か...。
昼食後、支度をして出発。見上げると木々の緑は色濃くて、気持ちのいい河原歩きからスタート。水量も多くなく、水の中をじゃぶじゃぶ歩くのも快適だ。そう、虻さえいなければ。でも、虻は、なぜか増田さんがお気に入りのようだ。
川幅が狭まり、ゴルジュ状で深い淵のところでは、へつったり、小さく巻いたり、ほんのちょっとだけ泳いだり、再びゴーロ歩きがあったりということを繰り返し、時には岩魚の魚影を追いかけたりしながら、遡って行った。
18時頃、西俣沢との二俣を過ぎた辺りをテン場とする。増田さんのおいしいご飯を食べ、たき火にあたって、宗像さんと斎藤さんの沢談義を聞いていると、ついついお酒も進んでしまう。雨が降って来たのを潮に就寝。
8月12日
さっき寝たと思ったら朝だった。熟睡。8時過ぎに出発。桝形川本流を2時間くらい歩き、フスベ沢に入ると急に登りになる。すぐに20mの大滝に出合う。宗像さんと斎藤さんが空身で左側を登るが、濡れた岩は滑りやすく大変そうだ。斎藤さんが、「ハーケンを打とうと思ったらハンマーがなかったのは失敗だった。」と後で言っていたが、それでもよじ登ってしまうところがすごい。お二人に荷上げをしてもらい、その後「ごぼうで上がって来い」という指示に従って登る。滝の途中で待機していた増田さんは、滝に打たれて震えていた。結局ここで1時間半ぐらいかかったようだ。
その後も小さい滝、大きい滝が次々に現われる。直登した所も、高巻きした所も(どちらかというと巻きは少なかったように記憶しているが)私は、三人が代わる代わるに出してくれるザイルやシュリンゲを頼りにひとつひとつ越えて行くのが精一杯だったのだが、それでも、今までにない充実感を味わわせてもらった。(後で聞くと、斎藤さんは虫に刺されて唇が痺れ息苦しくなって最悪の体調だったとのこと。宗像さんと増田さんも私のために相当気を遣って疲れた様子。ほんとにすみません!)
18時頃になって、源頭近くなっても、結構水量があり、滝も続いており、後は適当なテン場を探すのみとなった。結局、薄暗くなった19時頃流木の豊富な良い場所が見つかり、一日の行動を終える。
虻がいなくなったと思ったら、今度は蚊とぶよの攻撃。体をかきむしりながらの宴会となった。夜半再び雨が降ってきたので、タープの下に退散。とんぼが羽を休めに来ていた。
8月14日
雨の音に起こされるが、出発するころには上がっていた。今回は、行動時に雨が降らなかったのが何よりだ。源頭部をひたすら登る。途中ひら茸発見。かなりの量ににこにこしながらむしり取る。いいお土産ができた。2時間程で灌木の林に出る。斎藤さんに「あの木は熊が登った跡がある」等と教えてもらいながら、しばし休憩。
稜線に出て、周りの山々の展望を楽しんだ後、下降に入る。すぐに水源が現われる。1時間ほどすると、20m, 30m といった大きな滝に出くわす。名もない沢ですら半端じゃない。何回懸垂下降したか覚えていないほどだ。ちなみに斎藤さんは十数年振りの懸垂下降とのこと。ふだんはザイルなんて使わないで降りてしまうそうだ。
二俣で昼食後、50m, 30mと再びスケールの大きい滝に緊張しつつも感激する。やがて、両岸の迫ったゴルジュになり、へつったり、淵を泳いだりと、これまた楽しい。15時頃、西俣沢との出合いに到着。
10mほどの細長い淵の入り口に佐藤さんと長南さんの姿が見える。人の姿が妙に嬉しくてお〜いと手を振った。岩魚を釣っていたようだが、お構い無しにドボンと飛び込んで泳いで行った。
そして、しばらく河原を歩いて、ついに集中場所に到着!広い河原で蔵前さんと小坂さんが準備して待っていてくれたたき火が暖かい。夕暮れが近づき稜線の木立がシルエットになって浮かび上がり、刻々と空の色が変わっていく様を見ているとそれまでの疲れも消えてしまうようだった。
集中場所まで来れば、後はスキップで帰れると思っていた私だったが、さにあらず。翌日もいろいろなことが待ち受けていた。高巻き怖いと顔をひきつらせる場面もあった。しかし、予定外でビバークした夜は合宿初めての満天の星というおまけがついていた。渓谷にかかる虹も見た。
今回の合宿は、何もかもが私にとって初めての経験だった。そして、沢登りの楽しさを満喫させてもらった。家に帰ってからも、しばらくは興奮覚めやらぬという状態だった。これも、ひとえに一緒に行動して下さった皆さんの至れり尽くせりの心づかいのお陰だ。そしてまた、いろいろな場面で、いろいろな事を教えてもらった。ありがとうございました。(記:森下)
そして、しばらく河原を歩いて、
|