1999年7月31日(土)〜8月1日(日)
L戸ヶ崎、西、増田、大塚
難しいといわれる飯豊の沢の中でも比較的簡単なところだということで、仲間に入れてもらったが、飯豊のレベルの高さを存分に味わう山行となった。
前夜22:30に柳瀬川を車で出発し、胎内パークに到着したのが明け方4:00近くになっていた。2時間ほど仮眠して胎内ヒュッテに向かう。朝食をとって頼母木川沿いの林道を歩き始める。睡眠不足のせいか足が重い。40分ほど歩いて足の松沢の出合いに着く。ここから大石山への登山道を10分程歩き、道が急登となる手前を左にそれて入渓する。
入渓地点はあごく沢を越えた上流で、河原が少し続く。小滝を三つほど超えると長い淵を持つ3mの滝があり、淵をへつって奥の滝は左岸を小さく巻く。続く2段12mも左岸を小さく巻いた。ここからしばらくの間は時々滝があるゴーロ状の渓相となる。沢は明るく開けており、遠くに見える山並みはなだらかな曲線を描いていかにも東北の山らしい。天気はドピーカンで暑い暑いと言いながら歩く。淵に浸かってもシャワーをかぶっても全然寒くない。左に枝沢をわけ、3mの滝をこれまた左岸から小さく越えると、渓相が変わり、草付きの急斜面の底の狭い河原となった。
小滝を幾つか越えて左に涸れ沢を2本分けると15mの滝。ここで単独行の先行者に出会う。直登は不可能なので右岸のルンゼ状から高巻く。単独行の人は少し下流の右岸側から高巻きに入ったようだ。中段まで上がり、2m程の段差を越えようとするがなかなかに一歩がいやらしい。空身でザイルを引いて登ったが、落石の巣のようなところなので、石を落とさぬよう細心の注意を払った。上でザイルをフィックスし、全員がゴボウで登ってきたところで私は一度自分のザックを取りに降りて登り返した。巻きはその後トラバース気味に進み、最後は30mザイルを2本使った懸垂下降で滝上に降りた。入渓して初の緊張ポイントだった。ここで昼食休憩とする。照りつける真夏の太陽、風は涼しく、水は日の光に煌めき、緑は輝いている。遠くに二王子山を眺めながらの至福のひとときを過ごす。先ほどの先行者も無事降りてきた。
昼食後は4m滝、5m滝、小滝があり、2段17mはどちらからでも巻けそうだが左岸から巻く。その後は3〜4mの小滝が続く。左から枝沢を合わせたあと沢はS字に屈曲する。4m滝は左岸から巻き、続く釜を持った滝は西さんが泳いで右から取り付いて越える。今日の西さんは泳ぎとなると実に勇猛果敢だ。時々用もないのに水に浸かっては嬌声を上げている。やっぱり暑さのせいかなあ。右から沢を合わせて本流が左にカーブしたところで直登不能の5mの滝。巻くなら右岸からだと滝に近いところでトライするが、ホールドが細かくてなかなか登れない。少し下がって右岸の比較的傾斜の緩い所を戸ヶ崎さんがトップで登り、ザイルをフィックスして後はプルージックやゴボウで続く。この滝を越えた河原に適当なテン場を見つけて本日は終了。大塚さんは初めての食当を無難にこなし、焚き火を囲んでいつものように夜が更けていった。
翌朝は7:30出発。テン場を出てしばらく行き沢がS字に屈曲するところからゴルジュ地形となり、小滝が3つ、5m、4×4mの滝と続く。そこを過ぎると左から枝沢が合わさり、その少し上についに雪渓が姿を現す。雪渓はこちらに向かって大きな口を開け、白い蒸気を噴きだしている。奥は暗く結構長いようだ。「奥が真っ暗ではないので下をくぐっても行けると思うが、念のため上を行こう。」と言うリーダーの判断によって、入り口の数mをくぐり、すぐの右岸から雪渓の上に乗る。雪渓は全長で150m程度か。最上部は二俣になっており、めざす右俣は滝を懸けていて直登はできない。真ん中の枝尾根に取り付けば難なく巻けそうだが、そこへ行くまでの雪渓の厚みが不安だ。安全策を採って、一度左の枝沢を登り、途中から右の尾根に取り付いてトラバースし、最後はブッシュをつかんでのクライムダウンで滝上に降りた。
しばらく登ると二俣となる。左は鉾立峰とアゴク峰の間に突き上げる傾斜の急な沢で、入り口にスノーブリッジを懸けている。右俣は滝を懸けて直登できないので、真ん中の岩場を登る。中段から上は草付きの急斜面となって悪い。戸ヶ崎さんがトップで空身で登りザイルをフィックスし、一旦ザックを取りに降りて登り返した。後続は確保してもらって登ったが、確保がないととっても怖いところだ。アイスハンマーがよく効いた。ブッシュ帯まで登り右にトラバースして滝上に出た。今回の山行の中で一番緊張したポイントかもしれない。我々が巻き終わった頃、昨日の単独行者も姿を見せた。
ここで悪場は全て終わった。水流が次第に細くなり、やがてお花畑の草原となって大石山と鉾立峰の鞍部の稜線に出た。ゆったりとした曲線の山並みが続く眺めのよいところだ。大石山から足の松尾根の下山が大変だった。暑さと疲れでバテバテとなり、みんなから大幅に遅れてしまった。
私にとって初めての飯豊の沢は適度に困難できれいで非常にすばらしかった。(記:増田)
《コースタイム》
1日目;胎内ヒュッテ(7:45)〜足の松沢出合い(8:20)〜入渓(8:55)〜15mの滝(11:10)〜テン場(16:00)
2日目;テン場(7:30)〜雪渓(8:00)〜スノーブリッジの二俣(9:35)〜稜線(12:30)〜大石山(13:00)〜登山口(16:50)〜胎内ヒュッテ(17:00)