1998年6月6(土)〜7日(日)
L佐藤・戸ヶ崎・長南
6月6日。
雨。梅雨寒の雨。三峰口で電車を降りてもこの雨と気温ではあまり気分が乗らない。皆、思いは同じなのか朝飯を食いながら駅前でだらだらしている。やはり沢は晴れに限るよなぁ。でも、あまりうだうだしていても仕様がないので駅前からタクシーに乗り込む。やれやれ。
天狗トンネル手前でタクシーを降り踏み跡を探すが、雁坂トンネル開通にともない整備されたのか、トンネル手前にスノーシェードのような土砂避けの様なものができ、その先から本流に降りる踏み跡があった。
水量は岩についた苔の位置からみていつもより10cm程多い。本流は徒渉の連続でいい徒渉訓練になる。
特にこれといった悪場もなく吊橋小屋跡も過ぎるが、ブドウ谷手前でS字滝に行く手をはばまれる。
なかなか手強そうな滝だが落ち口あたりにシュリンゲが掛かっている。空身で戸ヶ崎さんがトップを行く。なかなか声がかからないので、私も登ってみる。登ってみたものの、なるほど大きくえぐられた沢床には降りられず、側壁を掛かっているシュリンゲに頼りながらトラバースせざるをえない。しかし一体誰がこんな所にハーケンを打ったのだろうか。感心してしまう。
かなり上まであがらないと荷上げできる場所がない。しかしそこまで上がると手持ちのロープでは足りず、2人で持っているテープとシュリンゲを全部つなぎなんとか荷上げをする。S字滝を越えるとすぐブドウ沢に出合い、程なく古礼沢との二俣に着いた。
今日は梅雨寒の雨で、おまけに全身ずぶ濡れなのでかなり寒い。でも、この時期にシェラフを持って来ることはあまりないのだが、全員がシェラフを持ってきていたのはさすがだ。
雨の中、それでも焚き火をつけ酒宴は開かれた。
6月7日。
小雨のち曇り。
今日は、雁坂峠に1時に集合なので、朝からまた火を着けゆっくりと沢の朝を楽しむ。
水晶谷に入ると水量も減り、途中の小さなゴルジュ以外は特に何もなく、相変わらず高度も上げずに奥秩父特有の風景の中の沢歩きとなる。
左から大きな斜滝をもった枝沢を合せると、幅1m程しかない岩盤の裂け目のようなゴルジュがあらわれる。奥には倒木の溜まった10m位の滝が控えている。左の明瞭な巻き道から裂け目を覗いてみるとかなり高い。そろそろ核心部かな、と前を見るとはたして20mの滝が控えていた。
しかし何か視野に異物があるような気がして、左を見ると、なんと!!コンクリートの20m程の塔があるではないか。ナンなんだ、これは。許せん!!などと息巻くほど純ではないが、かといって、確かにトンネルの換気口が水晶谷にできていることは知っていたが、何もここでなくてもいいんではないかという思いもあるのである。ゴルジュと滝が続いている唯一の場所ではないか。う〜む、ナンか情けない。それでもってここから先はまた平凡な沢歩きになるではないか。
本流を詰めていると時間がないし峠まで遠くなるので、計画では小屋に突き上げる沢を詰めることになっていた。本流は平凡なまま伏流となりつつあったので、この先まだ大滝が控えているらしいが、計画の枝沢の様子を見に行く。
枝沢は出合いの少し奥で5m程の滝をかけその奥で左に90度曲がっている。これでは様子がわからん、と偵察で登ってみる。登ってみると滝のその奥には暗〜いゴルジュがあった。そして少し先で右に大きく曲がっていてその先はまたわからない。なんとなく楽しそうだ。ゴルジュの中は屈曲点に挟まれているので流されてきた岩や木でかなり埋まっていて、それがチョックストンになっていたりする。ちょっと難しいかな、とも思えたが近づいてみてルートがとれたので落ち口まで戻る。下からの行けるのか、との問いかけに、ゴルジュになっていてチョックストンがかかっている、と答えると、本当に行けるのか、とあまり乗り気でないらしい返答。ここは気軽に、大丈夫ですよ、と答えておく。実際、ロープを出すほどのこともなく進め、右に大きく曲がってもまだゴルジュは終わらず先もわからない。ただやはり人は入っているようだ。まぁ場所柄を考えれば当然なんだが。
二俣が近づくとゴルジュもおわり、ナメっぽくなってきて水流の脇の草付きといい、なかなか奇麗だ。やっと少しだけ薄日がさしてきて仄かに暖かい。でもすぐに薄日は陰り寒くなるが、それでも戸ヶ崎さんのソーメンを震えながら食べる。やがて一面のガレと草付きの中に水流は消え詰めとなる。
最後は針葉樹の疎林と笹藪のミックスで思ったより長いやぶ漕ぎになった。ピッたし雁坂小屋に突き上げたのが集中の5分前。まだ笹藪と格闘している佐藤さんに、集中に間に合わないから先に行くと少し冷たい声を掛け先を急ぐ。
1時少し過ぎに峠に着く。ナメラ組みはまだ来ていない。峠は薄日もさし穏やかで気持ちがいい。靴をぬいで寛いでいると上からオ〜イ、と西さんが降りて来た。宗像さんも少しして降りてきて、下からは佐藤さんが上がってきて蔵前さんも降りて来た。集中成功。
西さんが持ち上げて来てくれたビールで乾杯する。しばらく寛ぎ下山する。(記:長南)
<コースタイム>
6/6 6:37お花畑-三峰口7:50-8:30下降点(岩鏡橋)9:00-9:50豆焼沢出合-13:10槙の沢出合-13:50吊橋小屋-14:20枝沢-16:10ブドウ沢-16:50二股
6/7 8:30-9:30換気口−10:40二股-12:50雁坂小屋-13:05雁坂峠14:05-15:05林道