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今夜の番組チェック

谷川:仙ノ倉北尾根〜平標山

1998年4月4日(土)〜4月5日(日)
L戸ヶ崎・長南


湯沢の駅前で酒を飲み始めた時、なんか変だなと思った。あの増田さんが酒を飲んでいないのである。なんでも今日、親知らずを抜いてきたらしい。酒を飲めない増田さんの前で酒を飲むのは、○○○の前で××××しているようなものなので、戸ヶ崎さんと私も早々に店を閉めて寝ることにした。

4月4日快晴
朝起きると増田さんがすこぶる調子の悪そうな顔をしている。昨夜、一睡もできなかったらしい。かなり痛そうである。無理をすることもないので、増田さんは帰京することになり、戸ヶ崎さんと増田さんの共同装備をわける。3人分の食料に5-6人用のテントを2人で使うというあまりうれしくない贅沢である。増田さんが、酒も持って行くか、と言ってくれたが、これ以上の重荷はいくら酒でも遠慮した。それにしてもこの人は今日、酒を飲むつもりだったんだ。さすがだ。

今年の1月に吹雪かれて、北尾根の取り付きからラッセルで8時間かかって逃げ帰った林道も、今はもう結構地面が出ていてついついペースが上がってしまい、こんなに短かったかと、あの時の苦労が色あせる。登りはじめると戸ヶ崎さんが快調にステップを刻んでいく。雪が腐っていて結構辛いのに、この人の登りにはそんなことは関係がないようだ。

小屋場の頭を過ぎると、やせ尾根がナイフリッジになっていたが、風もなく雪も安定していたので見た目よりも楽に通過できた。それにつけても、この荷の重さはなんとかならないものか。胸に空気が入らずすぐ息があがってしまう。遠目に見るとかなりの傾斜でアイゼンが必要かなと思えた斜面も、雪が腐っていて簡単にステップを刻めて何事もなく登れ、今日はばてるかもしれないな、と思いはじめたらシッケイの頭に着いた。やれやれ。

シッケイの頭のあたりは、のべっとした平らな地形で、遮るものは何もなく展望がすこぶるよい、開放的な場所である。それは牛や馬の背中のような感じで、さしずめ我々はその背中に乗っているアリである。そして持ち上げた首の先が仙ノ倉山である。

あんまり天気がいいのでテントの外で宴を開く。空間の広がりを感じながら飲む酒は、開放感に充ち広く大きなものを同時に飲ましてくれているようだ。かなり酒がまわってもきてもまだまだ酒も食料もある。隣では戸ヶ崎さんが通じないトランシーバーに向かって何やら叫んでいる。はやくも変身を終えている。飯も外で食べ、日が暮れる頃テントに戻って戸ヶ崎ニンニクを焼きながら飲みなおした。が、2人とも今日の太陽と重荷で疲れたのかニンニクをコンロで焼いたまま、気が付いたら大の字になって眠っていた。大の字になってもコンロを倒さないぐらいに大きなテントなのである。荷が重いわけである。焼けあがったニンニクで飲みなおす。

翌朝、集中時間に合せゆっくりと出発し、ゆっくりと登る。仙ノ倉から平標の間は雪がほぼ出ていて、今年の雪の少なさをまた感じさせられる。

平標の頂上に着いて少し待っていると、三国パーティも上がってきた。無事、集中できたことを祝って少し乾杯してから下山する。(記:長南)


<コースタイム>
4日:土樽駅7:20-9:20群大ヒュッテ-11:40小屋場の頭-15:10シッケイノ頭
5日:8:30-9:35仙ノ倉山-10:40平標山11:35-13:40元橋